「お客様像は、年齢や性別、職業まで細かく決めましょう」
そう教わって、手が止まったことはありませんか?
私は先日、創業塾の名刺交換で、まさにそこにつまずきました。
いろいろな方と話すうちに、「私のお客様は、ここにいる全員かもしれない」と思ったんです。
俗に言う「ペルソナ」とはずいぶん考え方が違います。
でも、整理してみて気づきました。
お客様は、年齢や業種ではなく「今どんな状況で困っているか」で絞ると、ちゃんと見えてきます。
この記事でお伝えしたいこと
お客様像は、年齢や性別だけで決めなくて大丈夫です。
「どんな状況で、何に困っている人か」で絞ると、業種がバラバラでも、届ける相手がはっきりします。
そして伝えるときは、自分の専門用語を相手に通じる言葉に置き換えることも大事です。
創業塾の名刺交換で何が起きたのか?
私はいま、商工会議所の創業塾に通っています。
2回目の講座で、エレベーターピッチを使った名刺交換の時間がありました。
1分で自分の事業を紹介して名刺を交換し、それを会場の参加者どうしでどんどんくり返していくんです。
講師の方は、「隣にいる人が、最初のお客様やビジネスパートナーになるかもしれない」と話していました。
限られた時間ではありましたが、私は5名の方と名刺交換ができました。
名刺をお持ちでない方のほうが多く、こちらから一方的にお渡しする場面が多かったです。
でも、相手の方の事業内容をお聞きすると、独創的で面白いアイデアばかりでした。
たとえば、こんな方たちです。
- お父様から譲り受けた、ちょっと変わった乗り物をたくさん持っていて、それをみんなに乗ってもらえる場所をつくりたい方
- アートメイクと、漫画の描き方を教える講座をやりたい方
- ワインのお店を開きたい方
- 看護師をしながら、体の不調に寄り添う仕事を始めたい方
- ネット販売では絶対できない「茶のみ話」ができる洋品店
ぜひこういう方たちの集客を応援したいな、と思える方ばかりでした。
みなさんのお客様像はすぐに思い浮かんだのか?
話を聞きながら、私は頭の中で、それぞれのお客様像を考えていました。
アートメイクなら、忙しくてアイメイクの時間がない女性や、眉をきれいに描くのが苦手な女性。
ワインのお店なら、もちろんワイン好きの方。
体の不調に寄り添う仕事なら、なんとなく具合が悪いけれど、どこが原因か分からない中高年の方。
こんなふうに、みなさんのお客様像は、割とすぐに絞り込めそうな気がしたんです。
でも、自分のことを考えたときに、手が止まりました。
「あれ?私の場合は、ここにいる人たち全員が見込み客なんじゃない?」
私は、事業をしている方のマーケティングを手伝う仕事をしています。
なので自分の店を持ちたい方もwebで商売をしたい方も、みなさんが私のお客様になりうるんです。
マーケティングを仕事にしている人は、ほかの起業する人たちと同じ並びではないのかもしれません。
一段「支援する側」に近いんじゃないか、とそのとき思いました。
だったら、ペルソナはもっと広くていいんじゃないか、と。
「全員がお客様」と思ったとき何がまずいのか?
正直に言うと、話した方たちのことは、みんな手伝いたいと思いました。
その気持ちは、今も変わっていません。
でも、ここが意外と落とし穴なんです。
「全員がお客様」のまま発信すると、誰にも刺さらない言葉になりやすい。
実はその日、もうひとつ出来事がありました。
私の名刺を見た参加者さんに、こう言われたんです。
「集客導線……なんか難しそうなお仕事ですね」
名刺には「集客導線」という言葉を入れていました。
私にとっては、毎日使っている、いちばん分かりやすい言葉です。
でも、相手にとっては「難しそう」な言葉だったんですね。
お客様は、自分の困りごとを「集客導線の問題」とは呼んでいないんです。
誰に向けるかがぼんやりしていると、言葉も自分目線のままになってしまう。
この一言で、そのことに気づかされました。

年齢や業種ではなく何で絞ればいいのか?
そこで、もう一度整理してみました。
私のお客様を、年齢や性別、業種で絞る必要はありません。
業種をまたいで役に立てる仕事だからです。
でも、「どんな状況にいる人か」で絞ることはできます。
たとえば、私の場合はこうなります。
私のお客様の「状況」
- 売りたい商品やサービスは、もう決まっている
- でも、お客様は紹介や知り合い頼みで、自分からお客様と出会う道がない
- やった方がいいことは分かっているのに、時間がなかったり苦手だったりして、手が止まっている
この状況に当てはまる方なら、ワインのお店でも看護師さんの新しい仕事でも、私がお手伝いできます。
逆に、まだ何を売るか決まっていない方には、今の私のサービスでは力になりにくいです。
「全員を手伝いたい」という気持ちは、入口を分ければ叶えられます。
商品が決まっている方には、具体的なお手伝いを。
まだの方とは、つながっておいて、商品が決まったときにまた声をかける。
こう考えたら、ずいぶん気持ちが楽になりました。
それに、同期の受講生は70名います。
全8回の講座の中で、これからもいろいろな方とお話しできるのが楽しみです。
私がお手伝いできる方もいれば、私のほうがサービスを体験してみたい方や、食事をしに行ってみたい飲食店の方もきっといると思います。
業種は広くていい。でも「困っている状況」で絞る。
あなたのお客様はどんな状況で困っていますか?
これは、マーケティングの仕事をしている私だけの話ではないと思っています。
たとえば整体院なら、「40代女性」より「デスクワークで夕方になると肩がつらくて仕事に集中できない人」のほうが、お客様の顔が浮かびますよね。
年齢や性別は、あとから自然についてきます。
まずは、こんなふうに書き出してみてください。
step
1今いるお客様を一人思い浮かべる(いなければ、来てほしい人を一人)
step
2その人が、あなたに出会う前に「どんな状況で、何に困っていたか」を一文で書く
step
3その一文を、お客様が実際に口にしそうな言葉に直す
3つ目が、意外と大事なんです。
私も次の創業塾では、「集客導線の仕事です」ではなくこう言ってみようと思っています。
「売れるまでの仕組みを、いっしょにつくる仕事です」
そして、もう一言こう続けるつもりです。
「集客の手間はAIに手伝ってもらって、オーナーさんが本業に集中できるようにする仕事です」
1文目で「何をする人か」を、2文目で「その結果どうなるか」を伝えるイメージです。
相手がどんな反応をするかは、まだ分かりません。
試してみて、また言葉を直していくつもりです。

気をつけたいこと
年齢や性別でお客様像を描くことが、間違いというわけではありません。
お店の雰囲気や商品の見せ方を決めるときには、役に立つこともあります。
ただ、それだけで手が止まってしまうなら、先に「困っている状況」から考えてみてください。
まとめ|お客様は「困っている状況」で絞る
この記事のポイント
- 創業塾の名刺交換で、「私のお客様は全員かもしれない」と思った
- 名刺の「集客導線」という言葉は、相手には「難しそう」に聞こえていた
- 業種や年齢で絞らなくても、「どんな状況で困っているか」で絞ればお客様は見えてくる
- 伝えるときは、自分の専門用語ではなく、お客様が使う言葉に置き換える
群馬県を拠点に、個人事業主・フリーランス・家族経営の方たちの集客の仕組みづくりをお手伝いしています。
「自分のお客様が誰なのか、言葉にしようとすると止まってしまう」という方は少なくありません。
今のお客様がどんな状況で来てくれているのかを、一緒に整理するところからお手伝いできます。
よくある質問
Q. ペルソナは年齢や性別を決めないといけませんか?
決めてはいけないわけではありません。
ただ、年齢や性別だけでは、その人が何に困っているかまでは分かりません。先に「どんな状況で困っているか」を決めると、発信する言葉が選びやすくなります。
Q. お客様の業種がバラバラでも大丈夫ですか?
大丈夫です。
業種が違っても、困っている状況が同じなら、同じ言葉で届けられます。
Q. 「困っている状況」が分からないときはどうすればいいですか?
今いるお客様に、「私に頼む前、どんなことで困っていましたか?」と聞いてみるのがおすすめです。
お客様の言葉は、そのまま発信に使えることが多いです。
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