「AIが答えてくれる時代に、ホームページってまだ必要なの?」
「必要なのは分かった。でも、何から手をつければいいの?」
先日、Web担当者フォーラムで「AI時代にWebサイトは必要なのか?」という記事を読みました。
SEOやアクセス解析、広報、Web制作など立場の違う専門家6人が同じ質問に答えています。
6人とも答えは「必要」でした。
ただ、そのあとに挙がった「これからやるべきこと」を数えてみると、かなりの量になります。
先に結論を書きます。
ひとりで事業をしているなら、専門家がすすめることを全部やる必要はありません。
自分の事業に効くものを、まず2つだけ選べば十分だと私は考えています。
そう言う私自身は、少し前に1日で7つも手を入れました。
だからこそ「全部はいらなかった」と書けることがあります。
この記事でお伝えしたいこと
AI時代のホームページについて、専門家は多くの取り組みを挙げています。
ひとりで事業をしている人は、まず「自分にしかない情報を書く」と「古い情報を放置しない」の2つから始めれば十分です。
構造化データや計測の設定は、そのあとで構いません。
専門家6人は何をすすめていたのか?
記事の中で、6人は「Webサイトはなくならない。ただし役割が変わる」という点で一致していました。
AIが答えを出すようになっても、そのAIが参照するのはWeb上の情報です。
そしてAIの答えを読んだ人が、最後に確かめに来る場所もWebサイトです。
そのうえで、これからやるべきこととして挙がっていたのは、たとえば次のようなものです。
- 自社にしかない情報(事例・価格・お客様の声など)を出す
- 情報を最新で正確な状態に保つ
- AIにも読み取りやすい形に整える(構造化)
- AIから来た人を見分けられるように計測を整える
- アクセス数ではなく質で評価するよう、目標の立て方を見直す
- 会社の考え方や世界観を言葉にして発信する
- サイトの中にAIを入れて、訪問者の質問に答えさせる
どれも正しいと思います。
ただ、これは主に「会社のWebサイト」を想定した話です。
担当者がいて、予算があって、分担できる会社なら全部に取り組めるかもしれません。
ひとりで商品をつくり接客も経理もしている人が同じ量をやろうとすると、どこかで止まってしまいます。
私が1日で7つ手を入れて分かったことは?
正直に書きます。
2026年9月のある日、私はAI検索対策の本を1冊読みながら自分のホームページを1項目ずつ点検しました。
その日のうちに手を入れたのは、次のようなものです。
- 記事の「よくある質問」を、AIが読み取れる形(構造化データ)でも出す
- 屋号や運営者の情報を、同じく構造化データで出す
- AIの検索サービスがサイトを読みに来られるか確かめる
- Googleアナリティクスで、ChatGPTなどから来た人を分けて数える
- LinkedInのプロフィールを整える
- 毎月、AI検索に自分のサイトが出ているかを確かめる仕組みをつくる
反対に、見送ったものもあります。
手順の構造化データは、目印がなくて自動化できないので保留にしました。
公開済みの記事の見出しを質問の形に直す作業は、量が多すぎるのでやめました。
プレスリリースや寄稿、登壇は、機会を待つしかないので見送りました。
ここまでできたのは、私がWebマーケティングを仕事にしているからです。
そして、その約1週間後に、毎月の計測の初回の結果が出ました。
「群馬 AI活用 コンサルタント」など10個の言葉で、AIの答えや検索結果に私のサイトが出てくるかを確かめる仕組みです。
結果は、10個すべてで出てきませんでした。
もちろん始めて10日ほどで結果を判断することはできません。
AIがどの情報を選ぶのかは、外から見て分からない部分がたくさんあります。
ただ、その記録の中に1つ気になることがありました。
AI検索のPerplexity(パープレキシティ)で「群馬 AI活用 コンサルタント」と聞くと、県内の会社が9社、表にまとめて紹介されていたのです。
そこに並んだ会社は、地域名と、何をしている会社なのかをはっきり書いたページを持っていました。
設定を入れたから紹介されるわけではありません。
先に効いてきそうなのはページに書いてある中身のほうです。
1回の計測なので断定はできませんが、私はそう受け取りました。

ひとりで事業をしているなら、どの2つを選べばいい?
専門家6人の話と、自分でやってみた結果を重ねて、私がひとりで事業をしている方にすすめるのは次の2つです。
1|自分にしかない情報を書く
6人のうち何人もが、口をそろえて「そこにしかない情報」の大切さを挙げていました。
AIの答えは、たくさんのサイトから情報を集めて作られます。
どこにでも書いてある一般論は、ほかのサイトでも代わりがききます。
でも、あなたの仕事の中にしかない情報は、ほかから持ってくることができません。
- 実際の料金や、料金が変わる条件
- お客様からよく聞かれる質問と、その答え
- どんな相談に、どう対応したかの事例
- 対応している地域と、得意な分野
大きな会社よりもひとりで事業をしている人のほうが、こうした話をそのまま書けます。
お客様と直接話しているのが自分だからです。
2|古い情報を放置しない
もう1つは、いま載っている情報を最新にしておくことです。
専門家の中には、古い情報を放っておくとAIがそれを何度も広めてしまうおそれがある、と指摘している人もいました。
営業時間や料金、サービス内容、問い合わせ先。
ここが古いままだと、AIより先に、確かめに来たお客様を迷わせます。
新しいページを増やすより、いまあるページを直すほうが時間もかかりません。
どちらもお客様が「この人に頼んで大丈夫か」を判断するための情報です。
「うちの場合、何が『自分にしかない情報』なのか分からない」という方は、一緒に書き出すところからお手伝いできます。
後回しにしていいものは?
残りの取り組みは、やらなくていいわけではありません。
ただ、順番があると私は考えています。
- 構造化データ:中身が薄いページを読み取りやすくしても、伝わる情報は増えません
- AIから来た人の計測:ひとりで事業をしている規模だと、しばらくは数えられるほどの数にならないことが多いです
- 評価の仕方の見直し:担当者やチームがいる会社向けの話です
- サイトにAIを入れる:答えさせる材料(自分にしかない情報)がそろってからで十分です
私が1日で7つ手を入れた中にも、この「後回しでいい側」がたくさん入っています。
私の場合は、それ自体が仕事だからです。
でもお客様に同じことをすすめるかと聞かれたら、すすめません。
2つができていないうちに設定だけ増やしても、効いているのかどうかを確かめることさえ難しいからです。

今日できる小さな行動は?
全部をいっぺんにやる必要はありません。
今日は次の3つだけ試してみてください。
step
1自分のホームページを開いて、営業時間・料金・問い合わせ先が今の内容と合っているか確かめる
step
2お客様からよく聞かれる質問を3つ書き出す
step
3その3つの答えが、ホームページのどこかに書いてあるか確かめる
3つ目で「書いていなかった」と気づいたら、そこがあなたにしか書けない情報の入り口です。
まとめ|AI時代のホームページは「全部」ではなく「2つ」から
AI時代にもホームページは必要です。
これは専門家6人の答えがそろっていました。
ただ、そのためにやることを全部並べると、ひとりで事業をしている人には多すぎます。
- 自分にしかない情報を書く
- 古い情報を放置しない
まずはこの2つから始めてみてください。
ホームページの役割そのものについては「ホームページのアクセスが減っても、やめてはいけない理由」に、整えたい情報の中身については「AIに紹介されるために個人事業主がやること」に書いています。
Mikkeでは、ホームページだけでなく、インスタグラムやLINEも含めて「あなたの事業に必要なところだけ」を一緒に整理しています。
よくある質問
Q. 構造化データはやらなくていいのですか?
やらなくていいわけではありません。
ただ、読み取りやすくする前に、読み取ってほしい中身があることが先です。
自分にしかない情報がページにそろってから取り組んでも遅くないと考えています。
Q. 情報を整えれば、AIに紹介されるようになりますか?
紹介されるとは約束できません。
AIがどの情報を選ぶかは、外から分からない部分が多くあります。
私自身も、手を入れてから約1週間後の計測では、まだどの言葉でも紹介されていませんでした。
ただ、自分にしかない正確な情報は、確かめに来たお客様の判断には確実に役立ちます。
Q. 「自分にしかない情報」が思いつきません
お客様からよく聞かれる質問を書き出すところから始めてみてください。
その答えは、あなたが毎日の仕事の中で説明していることです。
本人には当たり前すぎて、情報だと気づいていないことがよくあります。