分かりやすいはずなのに、響かない説明があるのはなぜか

なぜ響かない?伝え方の違い

分かりやすく説明したはずなのに相手の反応が薄い。
そんな経験はありませんか?

資料もきれいにまとめたし専門用語も減らした。
順番に説明したのに最後は「なるほど⋯勉強になりました」で終わってしまう。

先日参加した講座でこの理由がはっきり言葉になりました。

分かりやすく説明することと相手が「これは自分の問題だ」と感じることは別です。

どれだけ説明が上手でも、相手が自分の課題として捉えていなければ話を聞いて終わってしまうことがあります。
今回は講座で学んだ「自分ごと化」の考え方と、私が今取り組んでいる商工会事業者向けプログラムの設計についてお伝えします。

森谷
森谷
群馬県を拠点に「集客導線とAI活用」のコンサルをしている森谷です。Webマーケティングに26年携わり(フリー歴15年)これまで700名以上のクライアント様を支援してきました。

分かりやすさと「自分ごと化」は別の作業

説明を分かりやすくするために、私たちはいろいろな工夫をします。
構成を整え、専門用語を減らし、事例を入れて順序立てて話す。
もちろんどれも大切なことです。

ただ講座で学んだのは、その前にもうひとつ必要なことがあるという話でした。

相手自身が
「今の自分に関係がある」
「このままだと困るかもしれない」
と認識しているかどうかです。

たとえば、集客セミナーで「ホームページとSNSの導線を整えましょう」と説明したとします。
内容は理解できても、参加者が「うちは今のままで特に困っていない」と思っていれば、すぐに行動する理由はありません。

一方で「Instagramを見てくれた人は、そのあとどこから問い合わせできますか」と聞かれたらどうでしょう。
自分のアカウントを思い浮かべて「そういえば、問い合わせ先が分かりにくいかもしれない」と気づく方もいると思います。

同じ集客導線の話でも後者は自分の仕事と結びついています。

退屈な講義からひらめく対話へ

ここがポイント

説明は情報を届けるためのもの。質問は、相手が自分の状況を確かめるきっかけになります。どちらか一方ではなく、質問で現在地を確認してから必要な説明をする。この順番が大切なのだと感じました。

質問を通じて自分の課題に気づく対話のイメージ
説明する前に、相手自身の言葉で現状を確認してもらう。

質問によって、悩みが具体的になる

講座では、一方的に説明するのではなく質問によって相手自身に悩みを言葉にしてもらうことが大切だと学びました。

「集客に困っていますか」と聞かれても漠然としていて答えにくいことがあります。
でも
「今、問い合わせは月にどのくらいありますか」
「そのうち、どこから来たお客様が多いですか」
と聞かれると、実際の状況を思い浮かべやすくなります。

さらに
「問い合わせが増えたら今の仕事はどう変わりそうですか」
と聞けば、今度は望んでいる状態も見えてきます。

ここで大切なのは、質問を使って無理に悩みを作り出すことではありません。
相手がすでに感じている困りごとや、まだ整理できていない希望を、自分の言葉で確認できるようにすることです。

話してみた結果「今は特に困っていない」と分かることもあります。
それなら無理に商品を勧める必要はありません。
今の状況に合った情報をお渡しすればよいのだと思います。

現状を相談してみる

事業者向けプログラムを診断型にしている理由

この話は今取り組んでいる小規模事業者向けプログラムの設計方針とも重なりました。

私は当初、集客について順番に学べるカリキュラムを作ろうとしていました。
でも考えていくうちに難しさを感じたのです。

  • ホームページはあるけれどSNSを使っていない会社もあれば、
  • Instagramは頑張っているけれど問い合わせにつながっていない会社もあります。
  • Googleビジネスプロフィールは登録したまま、
  • LINEは作ったけれど配信していないという方もいます。

同じ「集客を学びたい」という方でも現在地が違います。
全員に同じ順番で学んでもらうより、まず今の状況を確認したほうがよいのではないかと考えるようになりました。

また、経営者の方は本業が忙しく動画を見て宿題をこなす時間を確保するのが難しい場合もあります。
学ぶこと自体が目的ではなく今の事業を前に進めたいという方も多いはずです。

「何を教えるか」から考えるのではなく、「今どこで止まっているか」から考える。これが診断型にしている理由です。

たとえば、Instagramからホームページへのアクセスはあるのに問い合わせが少ないなら、投稿の作り方よりも、問い合わせまでの流れを確認するほうが先かもしれません。
そもそも認知されていないなら、まず知ってもらうための取り組みが必要です。

もちろん、カリキュラム型が悪いわけではありません。
基礎を順番に学びたい方には向いていますし、共通の知識を身につける場面では有効です。
ただ、会社ごとに課題が違う場合は診断してから必要な学びや改善を選ぶほうが取り組みやすいのではないかと考えています。

一律対応から個別戦略へ

お客様との会話でも、説明の前に現在地を聞く

この考え方はセミナーだけでなく商品やサービスの説明にも使えます。

たとえばホームページ制作の相談を受けたとき。
すぐに「こんなデザインができます」「SEOにも対応しています」と説明する前にまず今の状況を聞いてみます。

  • 今はどこからお客様が来ていますか
  • ホームページを作ろうと思ったきっかけは何ですか
  • 今の集客で、いちばん変えたいことは何ですか

この3つを聞くだけでも相手が求めているものが少しずつ見えてきます。

「ホームページが古いから作り直したい」と思っていた方が、話してみると「本当は問い合わせを増やしたい」と気づくかもしれません。
逆に集客よりも採用や会社の信頼づくりが目的だと分かることもあります。

そうなれば説明する内容も変わります。
相手が求めていない機能を一生懸命説明する必要はありません。

説明の前に確認したいこと

「今、何がいちばん気になっていますか?」まずはこの一問からで十分です。答えを聞いてから、必要なことを説明する。相手の言葉を次の説明の材料にすることで、一般論ではなく、その人のための話に近づいていきます。

AIで資料を作るときにも気をつけたいこと

AIを使えば分かりやい資料や説明文を短時間で作れるようになりました。
構成を整えたり専門用語を言い換えたりするのはAIが得意な仕事です。

でも資料がきれいにできたからといって相手に響くとは限りません。

私自身AIで文章を作っていて「内容は間違っていないけれど、なんだか自分の言葉ではない」と感じることがあります。
説明としては整っていても誰に向けて何を伝えたいのかが曖昧だと一般的な文章になってしまうのです。

だから最近は、いきなり本文を作るよりも、先に
「誰が、どんな場面で困っているのか」
「この記事を読んだあと、どの認識が変わるのか」を考えるようにしています。

AIに説明を上手にしてもらう前に、誰のどんな問題を説明するのかを決める。
これは今回の講座で学んだことともつながっています。

まとめ|分かりやすい説明の前に、相手の現在地を知る

分かりやすい説明は大切です。
ただ、それだけで相手が行動するとは限りません。

今回の講座を通じて、私があらためて整理できたのは、説明することと、相手が自分の課題に気づくことは別の作業だということでした。

商工会向けプログラムを診断型にしているのも、まず会社ごとの現在地を確認し、必要なことから取り組めるようにしたいからです。教えることと、前に進めることは、似ているようで少し違う仕事なのだと思います。

次にお客様へ説明するときは、資料をもう1枚増やす前に、質問を1つ増やしてみる。まずはそこから始めてみたいと思います。

Mikkeでは、群馬県・埼玉県北部の個人事業主や中小企業の方に向けて、ホームページ・SNS・LINEなどの集客導線を整理し、今の事業に合った改善の進め方を一緒に考えています。「何から手をつければよいか分からない」という段階からご相談いただけます。

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森谷清乃|集客導線設計×AI活用コンサルタント

群馬を拠点にWeb集客とAI活用を支援する森谷清乃です。 Webマーケティング実務26年。WordPress構築サポート700件以上、CMS全国展開時の加盟企業向け導入支援、SEO講座の講師などを経験。 生成AIパスポートも取得し「集客の仕組み」と「AIの使いどころ」を掛け合わせながら、あなたのお仕事に合った実践的なサポートを提供します。