「行政機関18万人が使う生成AI基盤を、たった1〜2人で運用している」
そんな記事を読みました。
デジタル庁の生成AI基盤「源内」の話です(出典は末尾に記載します)。
「大きな仕組みを動かすには、専門チームが要る」
ずっと、そう思い込んでいました。
でも記事を読みながら
「これ、私が毎日やっていることと同じ構造だ」と気づきました。
そして実は、その3日後に自分でも同じ種類のトラブルを起こしていました。
800時間の作業を5日に縮めた仕組み
「源内(げんない)」とは、日本のデジタル庁が開発した政府職員向けの安全な生成AI利用環境のことです。
記事によると「源内」を1〜2人の運用で回せている理由は、大きく3つでした。
- 設定をコードYAML(ヤムル)という構造化データを人間が読みやすく、書きやすいように設計された言語で書き残しておく
- プログラムのソースコードを保存・共有し、複数人で共同開発ができるGitHubというWebサービスに書き込むだけで、自動的に反映される
- AIエージェントに、実際の作業を任せる
本来なら800時間かかる作業が、この仕組みによって5日間で終わったそうです。
人手を増やしたのではありません。
「決めたルールを書いておいて、実行はAIに任せる」という発想に変えただけです。

私も10本近いルーティンを1人で回しています
これを読んで他人事だと思えなかったのは、私自身が似たようなことをしているからです。
- 保管庫の点検やライバル調査
- コミュニティのアーカイブ選別
- 週次のSEO・LLMO動向チェック
- Chatworkの履歴整理
こうした作業を「何を・いつ・どういう基準で」やるかを1本ずつ文章に書いてあとはAIに任せています。
スタッフ(人)を増やしたわけではありません。
書いたルールをAIが決まった時間に読みに行って勝手に実行してくれているのです。
それでもトラブルは起きる
ただし、うまくいかないこともあります。
先日、PCがスリープしている間、本来バラバラの時間に動くはずだった6つのルーティンが実行できないまま溜まってしまいました。
PCが再び動き出した瞬間、溜まった6つが同時にスタートしてしまい、その負荷で3つが途中で止まってしまったのです。
行政の仕組みも私の仕組みも「AIに任せれば絶対にトラブルが起きない」わけではありません。
任せているからこそ想定外が起きたときにどう気づき、どう直すかが問われます。
このときは、原因(同時発火)を確認したうえで、それぞれのルーティンに「始まる時間を少しずつずらす」という調整を加えました。
止まった作業自体は次の実行タイミングでやり直せば取り戻せます。
1人で回せているように「見える」だけかもしれない
ここで、もう1つ大事な気づきがありました。
行政の記事も、私のこの体験も同じです。
「1〜2人で運用できている」というのは、トラブルが起きないという意味ではありません。
正しくは「トラブルが起きても、1人(+AI)で原因を見つけて直せる仕組みになっている」という意味です。
大きな仕組みを1人で回すというのは完璧に動かし続けることではなく止まったときに慌てずに直せる状態を保つことなのだと思います。
個人事業主にも同じことが言えます
専任の担当者を雇う余裕がありません。
これは多くの個人事業主・小さな会社に共通する悩みです。
でも専任者がいなくても次の3つさえあれば1人で仕組みを回せます。
- やることの基準を先に文章で決めておく
- 実行そのものはAIに任せる
- 止まったときに原因を切り分けて直す習慣を持つ
大きな会社のような専門チームは要りません。
必要なのは人数ではなくこの3点セットです。
まとめ
- デジタル庁の「源内」は、コードで書いたルール+自動反映+AIエージェントで、1〜2人運用を実現している
- 同じ発想で、私も保管庫点検やライバル調査など複数のルーティンを1人で回している
- 「1人で回せる」は「トラブルが起きない」ではなく、「止まっても直せる」という意味
- 個人事業主にも、専門チームより先にこの3点セットが要る
Mikkeでは、集客導線の設計とあわせて、AIとの役割分担の仕方もご相談いただけます。
「1人でここまで手が回らない」という段階からで大丈夫です。
よくある質問
Q. 自動化の設定は難しくないですか。
プログラミングの知識がなくても、Claude Codeのような会話型のAIツールに「毎日この時間に、この基準でやってほしい」と伝えるところから始められます。
Q. トラブルが起きたら、結局対応が大変になりませんか。
最初から完璧を目指さないことが大切です。
まずは1つの作業から任せてみて、止まったときにどう気づいたかを記録していけば、少しずつ安定していきます。
Q. 個人事業主でも本当に効果がありますか。
あります。
「大きな組織だからできる」わけではなく、「基準を先に決めているかどうか」の違いだからです。
参考: 行政機関18万人を支える「源内」 わずか1~2人での運用を実現した“一見手の込んだ仕組み”(ITmedia AI+)