「AIを使い始めたのに、思ったほど仕事が楽にならない」
そんなふうに感じていませんか?
文章を書いてもらった。
アイデアも出してもらった。
調べものにも使っている。
それなのに、なぜか忙しさが減らない。
実は、これは珍しいことではありません。
先に結論をお伝えします。
AIで仕事が楽になるかどうかは、AIの性能よりも「何を任せたか」で変わります。
特に最初に任せやすいのは、見張る・確認する・記録する・集計するといった、答えがはっきりしている仕事です。
この記事でお伝えしたいこと
AIを導入しても楽にならないのは、AIの性能ではなく「何を任せたか」に原因があります。答えがはっきりしている「見張る・確認する・記録する・集計する」仕事から任せると、AI活用がぐっと楽になります。
Webマーケティングに26年携わり(フリー歴15年)これまで700名以上のクライアント様を支援してきました。
この記事では、
「AIを導入したのに、なぜ楽にならないのか」。
そして、
「どんな仕事からAIに任せればいいのか」を、できるだけ簡単に説明します。
AIを使えば仕事が減ると思っていたのに、逆に増えた
2026年8月、エイベックスの松浦勝人会長が、
「AIで仕事が楽になると思ってたけど、真逆でした」
という趣旨の投稿をしたことが話題になりました。
AIを使って記事を作る中で、何度もAIとのやり取りが発生したり、別のアイデアが生まれたりして、むしろ仕事が増えていったそうです。
この話を見て、
「わかる!!」
と思った方も多いのではないでしょうか。
私自身も、同じ経験があります。
AIに記事を書いてもらえば、数分で文章はできます。
でも、そこから、
「これは本当?」
「私はこんな言い方をしない」
「この実績はどこから出てきたの?」
「そもそも誰に向けた文章なの?」
と確認し始める。
気づくと、AIが書いた時間より、直している時間のほうが長いことがあります。
AIを使うと「減る仕事」と「増える仕事」がある
AIを使うと、確かに速くなる仕事があります。
たとえば、
- 文章の下書きを作る
- 見出し案を出す
- 長い文章を短くまとめる
- 言い回しの案を出す
- アイデアのたたき台を作る
こうした作業は、とても速くなりました。
ところが、そのあとに別の仕事が発生します。
確認です。
たとえば、
- 内容が正しいか確認する
- 数字や事実を調べ直す
- 自分らしい言葉に直す
- お客様に伝わる文章になっているか見る
- AIへの指示を考え直す
この「確認する時間」が増えます。
だから作る時間は減ったのに確認する時間が増えた。
その結果、結局あまり楽になっていないと感じるのです。
AIを使っても楽にならない原因は「確認」にある
ここが大切です。
AIを使ったあとに戻ってくる仕事の多くは、
「これで合っている?」と確認する仕事です。
では、なぜ確認が必要なのでしょうか。
理由は簡単です。
答えが1つではない仕事をAIに任せているからです。
たとえば、
「この記事をどう書くか」には、正解が1つありません。
誰に向けて書くのか。
どんな言葉を使うのか。
何を一番伝えるのか。
人によって答えが変わります。
だから最後は、人が確認する必要があります。
答えが1つの仕事はAIに任せやすい
反対に、答えがはっきりしている仕事はAIに任せやすくなります。
たとえば、
「新しい問い合わせメールが届いたか」。
答えは、届いた・届いていないのどちらかです。
「リンクが切れているか」なら、切れている・切れていないです。
「今月のアクセス数はいくつか」なら、集計すれば数字が出ます。
こうした仕事は、人によって答えが変わりにくい。
そのため、AIに渡したあとに人間へ戻ってくる確認作業も少なくなります。

AIに任せやすい仕事・人が確認したほうがよい仕事
分けてみると、こんな違いがあります。
| 比較 | AIに任せやすい仕事 | 人が確認したほうがよい仕事 |
|---|---|---|
| 答え | はっきりしている | 人によって変わる |
| 例 | 確認・監視・記録・集計 | 文章・企画・価格・判断 |
| 発生 | 毎日・毎週など繰り返す | その都度考える |
| AIに渡したあと | 戻ってきにくい | 確認のため戻ってくる |
| 人の役割 | 結果を見る | 判断・修正する |
ここで誤解してほしくないのは文章作成や企画をAIに任せてはいけないわけではないということです。
文章の下書きを作らせる。
企画案を10個出してもらう。
これは十分役立ちます。
ただし、
「AIに渡したら、もう自分は何もしなくていい」とは考えないほうがいい。
確認が戻ってくる仕事だと分かったうえで使えばいいのです。
私がAIを使って本当に楽になった仕事
私自身が「これは本当に楽になった」と感じたのは文章を書く仕事ではありませんでした。
毎日発生する小さな確認作業です。
たとえば、問い合わせの確認。
メールが届いたら、他の作業をしていても画面の中央にポップアップ画面が音とともに開くようにしています。
ただし9時、12時、17時の1日3回だけ届くようにしています。
以前は「新しい問い合わせが来ていないかな」と思うたびに見に行っていました。
1回の確認は数分です。
だから、時間だけ見れば大したことはありません。
でも「そういえば、確認したっけ?」という小さな気がかりが、ずっと頭に残ります。
そこで、決まった時刻に確認して、新着があったときだけ知らせてもらうようにしました。
すると、この仕事について考える必要がなくなりました。
AIの効果は「何分減ったか」だけで測らない
ここで、AI活用について大きく考え方が変わりました。
AIを入れるとき「何時間減らせるか」ばかり考えていたのです。
でも、本当に減ったのは時間ではありませんでした。
「気にしていなければならないこと」が減った。
これが大きかったのです。
気づき
AIの効果は「減った時間」だけでなく「減った気がかりの数」で測るとわかりやすくなります。
問い合わせ確認をAIに任せても、作業時間そのものは数分しか減りません。
でも、
「問い合わせ来てないかな」
「見落としてないかな」
という心配がなくなりました。
AIの効果は「時間」だけでなく、「気がかりの数」で測るといいと思います。
「5分しかかからない仕事」でもAIに任せる意味がある
ここは意外と大切です。
AIに任せる仕事を探すとき「時間のかかる仕事を自動化しよう」と考えがちです。
でも、毎日5分しかかからない仕事でも1日に何度も思い出してしまうならAIに任せる価値があります。
たとえば、
- 問い合わせが来ていないか確認する
- SNSにコメントが来ていないか確認する
- 予約が増えていないか確認する
- Webサイトに問題がないか確認する
- 競合サイトが更新されていないか確認する
- 数字を記録する
- 締切までの日数を確認する
こうした仕事です。
作業時間より「頭の中から消せるか」を見る。
するとAIに任せるべき仕事が見つけやすくなります。
AIに最初に任せたい4種類の仕事
AI活用を始めるなら、私は次の4つから探します。
1. 見張る
「何か変化が起きたら教えて」という仕事です。
たとえば、
競合サイトの更新。
新しい口コミ。
新着情報。
制度や補助金の更新などです。
2. 確認する
決められた条件に当てはまるかを確認する仕事です。
たとえば、
リンク切れ。
未返信メール。
予定の抜け。
期限切れなどです。
3. 記録する
毎日・毎週発生する情報を残す仕事です。
アクセス数。
SNSの数字。
作業履歴。
問い合わせ件数などです。
4. 集計する
集めた数字をまとめる仕事です。
月ごとのアクセス数。
問い合わせ数。
SNSの反応。
売上データなどです。
この4つには共通点があります。
何をすれば完了なのかが分かりやすい。
だからAIへ渡しやすいのです。

AIに任せる仕事を見直す簡単な方法
紙でもメモアプリでも構いません。
2つの列を作ってください。
左側に「AIに渡した仕事」を書きます。
右側には「AIが終わったあと、自分がやった仕事」を書きます。
たとえば、
| AIに渡した仕事 | そのあと自分がしたこと |
|---|---|
| ブログ記事を書いてもらう | 内容確認、事実確認、修正、言い換え |
| 問い合わせを確認する | 新着があれば読む |
| SNSの数字を集計する | 結果を見る |
| キャッチコピーを作る | 選ぶ、直す、考え直す |
右側が長い仕事ほど「AIに完全に任せる仕事」ではなく、「AIと一緒にやる仕事」です。
反対に右側がほとんど空ならAIに任せやすい仕事です。
この違いが見えるだけでも、AI活用はかなり楽になります。
AIは「全部やってくれる人」ではない
AIを導入するとき、
「これで仕事を全部やってもらえる」と思うと期待との差が大きくなります。
それよりAIにも向いている仕事と向いていない仕事があると考えたほうが自然です。
人に仕事を頼むときも同じですよね。
文章が得意な人。
数字が得意な人。
確認が得意な人。
それぞれ違います。
AIにも仕事を選んで任せる。
それだけで使い方が変わります。
群馬の中小企業・個人事業主なら、どこからAIを使えばいい?
群馬県の中小企業や個人事業主の方からAI活用について相談を受けることがあります。
「うちの仕事で何ができますか?」
最初から大きな仕組みを作る必要はありません。
まず「毎日、何度も確認しているものはないか?」を探してみてください。
たとえば
- 予約
- 問い合わせ
- 口コミ
- SNS
- ホームページ
- 在庫
- 締切
- 数字
こうしたところから1つ選びます。
いきなり10個任せる必要はありません。
まず1つ「もう自分で確認しなくてもいい」という体験を作ることが大切です。
AIを導入したのに楽にならないなら、失敗ではない
AIを使ってみて「思ったより大変だった」と感じても、失敗ではありません。
むしろ、どんな仕事ならAIに向いているのかが見えてきたということです。
大切なのは、AIをやめることではありません。
任せる仕事を選び直すこと。
文章なら、AIと一緒に作る。
確認なら、AIに任せる。
重要な判断は、人がする。
この役割分担を作ると、AIは使いやすくなります。
まとめ|AIで仕事を楽にするなら「気がかり」を任せる
AIを使っても仕事が楽にならないときは、AIそのものより任せている仕事を見直してみてください。
ポイントは4つです。
この記事のポイント
- AIを使うと増えやすいのは「確認」の仕事
- 答えが1つではない仕事は、人による確認が必要
- 最初は「見張る・確認する・記録する・集計する」仕事から任せる
- AIの効果は「減った時間」だけでなく「減った気がかり」で測る
私が一番おすすめしたい質問は、これです。
「毎日、気になって何度も確認しているものは何だろう?」
そこに、AIへ任せる仕事が隠れています。
AIを入れたのに楽にならないなら、AIをやめる必要はありません。
渡す仕事を変えればいい。
Mikkeでは、群馬県を中心に、中小企業・個人事業主の方がAIを実際の仕事に取り入れるための支援をしています。
「AIを使い始めたけれど、何を任せればいいのか分からない」
「いろいろ試したけれど、逆に仕事が増えている」
という段階からでもご相談いただけます。
よくある質問
Q. AIを使っても仕事が楽にならないのはなぜですか?
AIに仕事を渡したあと、内容確認・事実確認・修正などの作業が増えている可能性があります。特に、文章・企画・判断のように答えが1つではない仕事では、人による確認が必要です。
Q. AIには何を任せると効果がありますか?
最初は、見張り・確認・記録・集計がおすすめです。何をもって完了なのかが分かりやすく、繰り返し発生する仕事ほどAIに任せやすくなります。
Q. AIに文章を書かせるのはやめたほうがいいですか?
いいえ。文章の下書き、構成案、見出し案などには役立ちます。ただし、完成品をそのまま使うのではなく、事実確認や自分らしい表現への修正が必要だと考えて使うとよいでしょう。
Q. AI活用の効果はどう測ればいいですか?
作業時間だけでなく「気にしなくてよくなった仕事はいくつあるか」も確認してみてください。数分の仕事でも、何度も思い出していた仕事をAIに任せられれば、頭の負担を減らせます。
Q. 中小企業では何からAI導入を始めればいいですか?
毎日または毎週繰り返している、小さな確認作業を1つ探してみてください。問い合わせ確認、口コミ確認、数字の記録など、答えがはっきりしている仕事から始めると分かりやすいでしょう。
参考: エイベックス松浦会長「AIで仕事が楽になると思ってたけど、真逆」 note記事作成の“苦労”明かす(ITmedia AI+)