「AIをうまく使えている」と思っていても、実はAIに考えてもらっているだけかもしれません。
AIの本当の価値は、答えを出してもらうことではなく、自分の思考を広げてもらうことにあります。
Webマーケティングに携わって26年。
ChatGPTが日本で使えるようになった半年後の2023年の春から、AIを実務で使い続けてきました。
そこでたどり着いた考えです。
この記事でお伝えしたいこと
AIは材料を集める担当、決めるのは自分という役割分担を、はっきり線引きすることです。この線引きができると、AIを使うほど考える力が育ちます。
AIに「答え」を求めていた時期がありました
AIを使い始めた頃は、企画・文章・分析、何を聞くにも「答え」を求めていました。
もちろんAIは、それらしい答えをすぐに返してくれます。
自分ひとりで考えるより速く、案も出てきます。
ただ、使い続けるうちに気づいたことがあります。
AIが出す答えは、必ずしも自分にとっての正解ではありませんでした。
「それっぽいけれど、何か違う」と感じることも少なくありませんでした。
今の私が思う理由はこうです。
AIには、次のようなことまでは分かりません。
- 顧客と話したときの微妙な違和感
- これまで積み重ねてきた経験
- 本当に実現したい未来
AIが得意なのは「材料を集めること」
今はClaude Code(クロード コード)という仕組みの中で、AIの役割を1つに絞らず分けて使っています。
- 調べもの・情報収集を任せる担当
- ファイル整理などの機械的な作業を任せる担当
- できあがった文章や構成を、あえて厳しい目で見てもらう担当
この3つを役割ごとに分けて頼み、最後に何を選ぶかは自分で決める、という流れにしています。

気づき
AIが集めてくれた材料と、自分の判断はまったくの別物だと気づいてから、AIとの付き合い方が変わりました。
AIには、膨大な情報を集めて整理する力があります。
しかし、最後に何を選ぶかという意思までは持っていません。
ここが、人間とAIのいちばんの違いだと感じています。
「賛成してくれたから正しい」とは限りません
AIは基本的に、こちらの意図をくみ取って答えようとします。
これは便利な反面、落とし穴にもなります。
自分の考えに自信が持てないときにAIへ相談すると、AIの答えによって、かえって自信がついてしまうことがあります。
そこで、記事や構成が仕上がった段階で、あえて別の視点から厳しく見てもらう役割を1つ用意しています。
「この構成でいいか」「この表現は伝わるか」を、賛成意見だけでなく反対意見も含めて確認してもらう工程です。
賛成意見を求めるだけでは、判断の材料としては足りません。
AIが書いた文章を そのまま出さないようにしています
文章を書くときも、同じことが言えます。
AIに頼めば、整った文章はすぐに作れます。
ただ、そのまま公開すると、自分で読み返したときに「正しいけれど、自分が言っている感じがしない」と感じることがあります。
AIには、私自身が失敗して悔しかった経験や、仕事の中で感じた違和感までは共有できていないからです。
やらないこと
AIが作った文章を、完成品としてそのまま公開しません。
構成・論点整理・表現の候補出しまではAIに任せ、最後は自分の経験を入れて自分の文章に直しています。

事業でAIを使うなら 線引きは自分で決めます
ここまでの話は、私個人のAIとの付き合い方です。
ただ、個人事業主やフリーランスとして事業にAIを取り入れる場合も、考え方は同じだと思っています。
AIに任せてよい部分と、自分で決めるべき部分は、事業によって違います。
調べる・整理する・叩き台を作る、という部分はAIに任せやすいところです。
一方で「何を選ぶか」「何をやらないか」「どこを目指すか」という部分は、事業をやっている本人にしか決められません。
この線引きは、誰かに決めてもらうものではなく、自分の事業を見ながら自分で決めるものだと思っています。
今日これだけ試してみてください
難しく考えず、次の3つから始めてみてください。
step
1直近でAIに頼んだことを1つ思い出し、材料集めだったか、決断そのものだったかを分けてみる
step
2AIの答えに納得したときほど「反対の立場ならどう考える?」と聞き直してみる
step
3AIが作った文章や提案を、そのまま使わずに一度自分の言葉で書き直してみる
完璧に線引きできなくていいと思っています。
私自身、今もこの線引きを都度見直しながら仕事をしています。
まとめ|AIは材料を集める担当 決めるのは自分
この記事のポイント
- AIは材料を集める担当、決めるのは自分という役割分担をはっきりさせる
- AIの答えに納得したときほど、あえて反対意見も聞いてみる
- AIが作った文章は完成品として扱わず、自分の言葉で仕上げ直す
群馬県内でも、AIをどこまで事業に取り入れるかで迷っているという声を、個人事業主の方からよくいただきます。
AIに任せる部分と自分で決める部分の線引きは、事業ごとに正解が違います。
自分ひとりで判断が難しいときは、いちど話しながら整理することもできます。
よくある質問
Q. AIを使うと考える力が衰えませんか
AIの使い方によって変わると感じています。
AIに答えをもらって終わりにすると考える機会は減りますが、材料集めをAIに任せて自分で判断する使い方を続けると、むしろ考える回数は増えます。
Q. どこまでAIに任せていいか分かりません
正解は事業によって違います。
まずは調べる・整理する作業から任せてみて、選ぶ・決める部分は自分に残すという順番で試してみてください。
Q. AIの答えを疑うと 余計に時間がかかりませんか
毎回すべてを疑う必要はないと考えています。
ただ、最終的な判断をする場面や公開する文章など、あとで取り返しがつきにくい場面だけは別です。
あえて反対意見も聞いてから決めるようにしています。
Q. 複数のAIを使い分ける必要はありますか
必須ではありません。
1つのAIでも、頼み方を「調べる」「整理する」「厳しく見てもらう」のように役割で分けて使うだけで、同じ効果は得られます。