「広告費をかけられません。だからもう打ち手がありません」
そう感じている方に、この記事を書いています。
結論から書きます。
予算を増やすのではなく戦う場所を変えてください。
大きい会社が来ない場所は、探せば必ずあります。
この記事でお伝えしたいこと
予算の大きさではなく「戦う場所」を変えることで、認知度を大きく伸ばした会社の実例から、自分の商売にそのまま使える3つの問いを紹介します。
認知度が10%から60%になった会社の話
先日、お米のギフトを扱う「八代目儀兵衛」という会社の記事を読みました。
取締役CMOの神徳昭裕氏へのインタビューです。
この会社は、セブン‐イレブンのおにぎりのご飯監修を手がけています。
バーガーキングの商品でもライスパティを共同開発しました。
その結果、認知度が10%ほどから60%ほどまで上がったそうです。
大企業との協業と聞くと遠い世界の話に思えます。
でも記事を読むと予算の大きさで決まった話ではありませんでした。

いちばん参考になるのは「競合のいない土俵を探す」
4つの考え方が紹介されていましたが小さな会社にそのまま効くのはこれだと思いました。
この会社が実際にやったことを追うと、順番がよく分かります。
主戦場では勝てないと認めた
ギフト市場の主戦場は、3,000円から5,000円の価格帯だそうです。
いちばん数が出るところです。
ところが、お米は重い。
送料が高くつくので、その価格帯では利益が出ません。
ここで「安くする努力」をしなかったのが分かれ目でした。
主戦場を降りて、1万円から1万5,000円の価格帯を狙うことにしたのです。
お客様が打っている言葉から空白を見つけた
なぜその価格帯だと分かったのか。
検索キーワードを見たからです。
「結婚内祝い 50万」「結婚内祝い 20万」といった言葉で、実際に人が来ていました。
たとえば10万円のお祝いに対するお返しは5万円ほどになります。
でもその価格帯の贈りものは、選択肢が乏しかった。
探している人はいるのに、答えが用意されていない場所でした。
自分の商品の「制約のなさ」を武器にした
もうひとつ、香典返しに目をつけています。
贈答のマナーとして、お肉やお魚は避けられる場面があります。
でもお米なら、その制約を受けません。
誰に贈っても問題がありません。
ここに力を入れた結果、香典返しだけで月の売上が平均300万円から4,000万円規模になったそうです。
約5年での変化です。
気づき
商品を変えたわけではありません。その商品が有利になる場所を探しただけです。
自分の商売に置き換える3つの問い
読んで終わりにしないために、私が使っている問いを書きます。
① いちばん数が出る価格帯で、自分は不利になっていませんか
不利なら、そこは主戦場ではありません。
材料費、手間、移動距離。
不利になる理由がはっきりしているなら、そこを降りる判断があります。
② 自分の商品に「制約を受けない」性質はありませんか
お米が香典返しに強かったのは、避けられる理由がなかったからです。
- 好き嫌いが出にくい
- 年齢を選ばない
- 保管に困らない
- 相手の家族構成に左右されない
弱みだと思っていた地味さが、そのまま強みになる場面があります。
③ お客様が実際に打っている言葉を、見たことがありますか
これがいちばん大事です。
想像ではなく、実際の言葉です。
問い合わせの文面、電話の第一声、検索して来た言葉。
この中に、まだ誰も答えていない質問が混じっています。

「予算がない」を言い訳にしないという話
大企業との協業についても書かれていました。
こちらは、待っていて降ってきた話ではありませんでした。
きっかけは、元上司の縁で相手企業の会長に挨拶に行ったこと。
決め手は、その後の打ち合わせでした。
会議の冒頭だけで退室しようとする相手を、呼び止めて自社の話をしたそうです。
同じころ、テレビ番組を見た商品開発の担当者からも問い合わせが入っていました。
2つの接点が重なったところで、「プロジェクトにしませんか」と提案したそうです。
ここで学ぶべきは人脈ではないと思います。
声をかけられたときに自社の話をすぐ話せる状態にしてあったことです。
商工会や地域の集まりでそのまま使えます
これは、地域の会合にそのまま当てはまります。
異業種の集まり、商工会の行事、取引先の紹介。
接点そのものは、わりと平等に来ています。
差がつくのは、そのあとです。
名刺交換で終わるか、話が続くか。
分かれ目は、「うちは何ができる会社か」を1行で言えるかどうかだけです。
長い説明は要りません。
むしろ短いほうが伝わります。
「〇〇市で、〇〇に困っている方の相談を受けています」
これが言えれば、相手は誰かを思い出してくれます。
まとめ|予算がなくても認知度は上げられる
この記事のポイント
- 予算を増やすのではなく、戦う場所を変える
- いちばん数が出る場所で不利なら、そこを降りる判断がある
- 弱みだと思っていた性質が、別の場所では強みになる
- お客様が実際に打っている言葉の中に、答えのない質問がある
- 接点は平等に来る。差がつくのは1行で名乗れるかどうか
規模で負けている、と感じたときこそ、土俵のほうを見直してみてください。
Mikkeでは、会社の強みを言葉にして、ホームページ・Googleビジネスプロフィール・LINE・SNSを1本の流れにつなぐ設計をお手伝いしています。
「うちには強みなんてない」という段階からご相談いただけます。
よくある質問
Q. 土俵を変えると、今のお客様が離れませんか。
いきなり全部を移す必要はありません。いまの仕事は続けたまま、新しい場所を1つ試すやり方で十分です。
Q. お客様が打っている言葉は、どうやって調べますか。
まずは手元にあるもので足ります。問い合わせの文面と、電話で最初に言われた言葉を10件書き出してください。同じ言い回しが必ず出てきます。
Q. 高い価格帯に移すのが怖いです。
全部を上げる話ではありません。いまの商品はそのままに、上の価格帯のものを1つ増やすところからで大丈夫です。
Q. 地域の集まりが苦手です。
無理に増やす必要はありません。いま行っている場所で、1行の名乗りを言えるようにするだけで変わります。
参考: 認知度10%から60%の大躍進。八代目儀兵衛CMOが語る、会社の規模や予算に頼らない「マーケティングの突破法」(Web担当者フォーラム)